2007年10月18日(木)18:04

EU首脳会議を前にポーランドは合意を阻止するとあらためて威嚇

リスボン(AFP)

欧州連合の改革を決めるリスボン首脳会議を直前に控え、ポーランドは新たな要求を持ち出し、合意を阻止する構えを示した。ポーランドのヤロスラフ・カチンスキ首相はワルシャワで、EUが6月の首脳会議の合意を守らなければ、合意の遅れもありうると述べた。ポーランドは、意に反するEU決定を延期する権利を求めている。ドイツのアンゲラ・メルケル首相(CDU)は困難な交渉を予測し、EUは改革条約で「ゴールまで数ミリメートルのところまで来ているが、まだゴールに至ってはいない」と述べた。ポーランドのほかにイタリアも保留の構えを見せた。

カチンスキ首相は、いわゆるイオアニナ条項の改革条約への採録要求が「ブリュッセルで決定されたとおり」行なわれなければ、ポーランドにとって「受け入れがたい」と述べた。メルケル首相は6月のブリュッセル首脳会議で、粘り強い交渉の末、改革条約の基本線でEUを合意に導いた。EU加盟諸国は、その際ポーランド政府に対してEU決定の延期権を条約に定めることが認められたとの表現を否定しており、代わりに拘束力の少ない宣言の形を考えている。譲歩としてポーランドには欧州司法裁判所の法務官の常任ポストを認める意向である。

ポーランド政府はリスボン首脳会議に、6月のブリュッセル首脳会議と同様、首相の双子の兄弟のレフ・カチンスキ大統領を送るものと見られる。日曜日のポーランドの議会選挙を控え、首脳会議の状況は一層複雑になる。メルケル首相は、「難しい協議」になると予測していると述べた。

イタリアも首脳会議を前にあらためて保留の姿勢を強調した。イタリア政府は、欧州議会の新たな議席配分で不利な扱いを受けたと考えている。2009年以降の議席配分は72議席にとどまり、これはイギリスの73議席、フランスの74議席を下回る。欧州委員会の委員長を務めたロマーノ・プローディ首相は、首脳会議の直前、このような解決案は受け入れられないと述べた。首相周辺からは、イタリアの拒否権行使の可能性も否定できないと伝えられる。

EU改革条約は27ヶ国に膨れ上がった共同体に新たな基盤を与えるもので、憲法の代わりをなす。2005年のフランスとオランダの欧州憲法批准否決はEUを深刻な危機に陥れた。EU議長を務めるポルトガルのジョゼ・ソクラテス首相は、改革条約は「リスボン条約」として歴史書に記されると発表した。

原題:Polen droht vor EU-Gipfel mit neuer Blockade




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